応用情報に足切りピッタリで受かった話とその勉強方法

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平成最後、令和初となる!?応用情報技術者試験に合格できました。

このとおり足切りピッタリ(午後60点)だったんですけども。
とは言っても、あと1点で駄目だった人もいるでしょうし、この結果をありがたく受け取っています。受かったもん勝ちという言葉もあるわけですし。

正直言うと今回受かったのは(足切りピッタリだったということもあり)だったと思うのですが、勉強は地味に頑張ったのでその頑張りが運を引き寄せたのかなぁと自分では思っています。

こういう話をすると「勉強はどれくらいしたの?」「どうやって勉強したの?」と必ず聞かれるし、逆の立場であれば自分も聞きたいと思うのが人情です。
というわけで、ふたたび資格試験を受けるとなったときの自分への備忘録も兼ねてその勉強方法を残しておきます。
自分がしたことを書くだけですが、それが誰かの役に立てればうれしいです。

自分のスペック

とりあえず自分のスペックです。

  • 偏差値50前後の文系高卒
  • 2007年終わり頃からペチパー
  • エンジニア歴は12年目
  • アラフォーのおっさん
    • 小学校低学年の子供が二人いる

という感じで、運良くエンジニアになれて今も運良く働けているただのオッサンです。

エンジニア歴が長いことについて

「なんだよ、エンジニア歴長いじゃねーか。そりゃ受かるだろ。」

と思う人もいるかもしれませんが、ぶっちゃけ応用情報で出てくるようなコンピューターサイエンスの知識は働いている上で出くわしたことはほぼほぼないです。ビット演算を使ったソースがたまに出てきたりする(自分では書いたことはない)レベルで、ここの計算量オーダーは、あーだこーだという場面は皆無でした(チューニングで無意識に触れていたかもしれませんが)。

これはただ単にレベルの低い環境にいるだけという話も無きにしもあらずですが、エンジニア歴はそんなに関係ないのかなと自分は思います。実際、自分よりエンジニア歴が長い,仕事ができる人であっても何度も落ちている人をちらほら見かけていますし。

エンジニア歴があることによって有利な点を挙げるとすれば、午後問題で得意な科目がすでにある、という点でしょうか。例えば、インフラをやっていればネットワーク、組み込み系エンジニアであれば組込みシステム開発、サーバサイドであればデータベースなど。そういった科目は問題をしっかり読めれば満点に近い数字は取れるかもしれません。
※後述しますが、午後問題はある意味ほぼ国語の問題で日本語自体が難しかったりするので過去問の1,2問は解いておいたほうがいいです

というわけで濃度の濃い環境でマルチに働いている人であればそんなに勉強しなくても受かる気がしますが、そうでもない環境で働いている人はしっかりと勉強しなければ受からない試験だと思います。

参考書

利用した参考書です。ググったら上位で出てくる参考書だと思います。

午前用

キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 平成30年度 (情報処理技術者試験)

平成30年度【春期】【秋期】応用情報技術者 合格教本 (情報処理技術者試験)

午後用

2018 応用情報技術者 午後問題の重点対策 (午後問題対策シリーズ)

なんで2018年度(過去)のなんだぜ?

ぶっちゃけると、本当は2018年の秋に受ける予定でした。そして、参考書も先に買っていたのです(自分は形から入るタイプなのでまず参考書を選びました)。
ですが試験日と子供のピアノ発表会が重なってしまい、やむなくキャンセルしました。
https://t.co/s1h9ASwo1a / Twitter

といった経緯があり2018年度のものを使ったというわけです。

これは裏を返すと、参考書は今年度のものにこだわらなくてもいいということにもなるわけです(試験制度が変わるとかであれば別)。なので、譲ってもらうとか安く仕入れるとかそういった方法もアリだと思います。

なんで午前の本を2冊も使ったんだぜ?

はじめに応用情報技術者 合格教本 (情報処理技術者試験)※下の方 を買ったのですが、いざ読んでみると自分の頭では理解するのがけっこう辛かったです。辛かったんです。
これはアカンもっと簡単な本にしなければ自分はきっと勉強できなくなると思い、追加で買ったのがキタミ式イラストIT塾 応用情報技術者です。
後述しますがこの選択は間違っていなかったなぁと自分では自負しています。

※正直、はじめの参考書選びで本屋さんで立ち読みしていたときも、この2つのうちどちらにするか悩みました。で、そのときは難しい方を理解することができれば問題ないやろ、大は小をかねるや。という勢いで応用情報技術者 合格教本 (情報処理技術者試験)だけを選んでしまったのです。

勉強方法

おおまかな勉強方法は以下の流れです。

  1. 午前用の参考書を2冊並行で読みきる(午前対策) … 約48時間(6×8)
  2. 参考書を読みきったら過去問道場でひたすら過去問を解く(午前対策) … 約28時間(4×7)
  3. 午後の問題集をとりあえず全科目2,3問解いて当日受ける科目を絞る(午後対策) … 約16.5時間(1.5×11)
  4. 午後の過去問を1回通しでやる … 2.5時間

ざっと思い出した限りで勉強時間を算出してみましが、約95時間でした。
3月初旬から勉強をはじめたので、期間は1.5ヶ月くらいだと思います。

この間の土/日/祝は図書館を使って可能な限りまとまった時間を確保して勉強していました。
小さい子供がいる場合、家で勉強するのは不可能だと思う(自分は無理だった。。)ので資格勉強中の期間は妻と子供には無理を言って勉強させてもらいました。
こういう環境を作るのも大事かもしれませんね。
(子供の寝ている朝、夜に勉強をするという方法もあるとは思いますが、そもそも家で勉強をするというのが無理でした)

では、それぞれ詳しく説明していきます。

午前対策

午前用の参考書を2冊並行で読みきる

並行で読む。というのが大事です。単純に1冊読み終えてから2冊目ということではありません。
自分が行った方法は以下です。

  1. キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者Chapter 1 基礎理論(離散数学)を読む
  2. 次に応用情報技術者 合格教本 (情報処理技術者試験)で、1.と同じ範囲の章,単位を探して読む
  3. キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者Chapter 2 基礎理論(応用数学)に進む
  4. 繰り返す

(言い方に語弊があるかもしれませんが)簡単なほうで大まかなイメージを掴んでから難しいほうで知識を埋める感じです。
順番は逆でもいいかもしれません。難しいほうを読んで分からなかったら簡単なほうで掴む。みたいな。
章末にある問題は必ず解いたほうがいいです。あとでやる過去問で出てきたときに記憶を呼び起こすことができます。

自分はこのやり方がヒットして、ちんぷんかんぷんのまま終わるというものは無かったですし、点と点がつながっていく感覚を味わいながら勉強できたので、むしろ楽しかったです。こういうのって大事だと思っていて、2冊買ってよかったなと本気で思っています。

勉強時間は1冊読み終えるのに約3人日(3×8=24時間)として、2冊分で約6人日(24×2=48時間))です。

参考書を読みきったら過去問道場でひたすら過去問を解く

https://www.ap-siken.com/apkakomon.php

超定番。みんながこれをやれと言います。なのでひたすら解きます。

自分は、平成21年度の春から過去7年間分くらい解きました。
※26年度までは順番にやって、あと1年(2回)は適当に選んだ感じです
※直近2回で出た問題は出ないという説があるのでそれ以外を解きました(平成31年春を受けたので、平成30年の秋と春の過去問はやりませんでした)
※7年もやる必要はないかもしれませんが、5年間分くらいはやったほうがいいと思います

実際に解いてみると気づくかもしれませんが、午前問題はかなり過去問の流用が行われています。
本当にそのまま出てくるので問題と答えの暗記だけでも半分以上は解けるはずです。
自分は午前問題がすごく簡単に感じたのですが、午前で落ちた人の話を聞くと「午前めっちゃ難しかった」と聞くので、それはなんだろう、単なる勉強不足なだけなのかなと思います。なので過去問マジ大事です。

参考書を読みきったらと書きましたが、参考書の読み込みとの並行でもいいと思います。

自分がやった方法

1つの回を2回やる。これだけです。平成21年度の春を2回やる、夏を2回やるみたいな。

  • 例)平成21年度
    • 平成21年度の春 1回目
    • 平成21年度の春 2回目
    • 平成21年度の夏 1回目
    • 平成21年度の夏 2回目

これがワンセット。で、やり方としては

1回目

  • 少し考えて答えを出してみる
    • 計算問題も式を考えてみて解いてみる
  • 3文字略語みたいな暗記ものはさっくりと
  • 答えを覚える
    • 計算問題はどういう式、考え方で出しているのかざっと理解する
    • 3文字略語みたいな暗記ものは、こじつけでもなんでもいいので覚える
    • この言い回しがあればとか

2回目

  • 1回目とは少しは時間を空ける、かといって、そんなに時間を空けずに解く
    • すぐやったらそりゃあ覚えているだろうし、時間空けすぎるとまったく覚えていないし
    • 5,6時間以上は空けつつ2日以内に解くくらいがいい感じ
    • おぼろげな感じから思い出す感覚がいいかと
  • 記憶力と戦う
    • パッと答えを思い出せなかったらすぐに答えを見る
    • で、覚える
    • 覚えられないやつはメモっといてまた別で解く
    • でもそういうのは結局やらないからいっそ諦めるのも大事

こんな感じです。
1回目は1.5時間くらい。2回目は0.5時間くらいの感覚です。
ですので1年間分は4時間くらいの勉強時間です。

自分は、通勤電車の中で上記のセットを繰り返していました。
とにかく問題と答えの暗記でいいです。暗記暗記。合格点が取れればいいのです。

午後対策

午後は誤解を恐れずに書くと、国語の問題かつ時間との戦いです。
単純に知識(暗記)を問う問題もありますが、必ず問題文にヒントなり答えが載っています。
限られた時間の中でも落ち着いて問題を読み、解くというのが一番の対策になると自分は思っています。
ただ、それだけだと抽象的すぎるので自分はどう対応したのか書いてみたいと思います。

絞りかた

まず午後は大問11問の中から5問(1問は必須なので、実質4問)を選択しないといけません。
つまり、解く問題をあらかた絞っておかないといけません。本番で問題を見てから絞るのは、よほどの実力者でもない限りキツいと思います。

自分の絞りかたは以下のとおりです。

  • 上であげた午後問題の重点対策 (午後問題対策シリーズ)※緑本 の全科目を2,3問ずつ解く
    • 解いた問題の解説はしっかり読んで答えの導き方を学んでおく
    • 日本語が難しかったりするので慣れておく
  • 必ず時間を測りながらやるのが大事(1問25分、Maxで30分まで)
    • 本番は2時間30分なので、5問と考えると1問30分
    • だが、(後述するが)問題選びに時間を取りたいので、その時間を捻出するためにもなるべく25分で終わらせるのが大事
    • 見直しをする余裕はないと考える
  • 点数はさておいて自分の中の手応え・基準を元に、○必ずやる/△当日見てから決める/×捨てる 問題を決める
  • このときの基準は以下
    • 時間がかかり過ぎないか
    • 問題文を読めれば解けるか
    • つまり、ワンチャンありそうか

上記をもとに出したのがこれです。

科目 やるやら 理由
1.情報セキュリティ 必須
2.ストラテジ × 問題の意味がわからん
3.プログラミング × 時間がかかる
4.システムアーキテクチャ ワンチャンありそう
5.ネットワーク × 門外漢、時間がかかる
6.データベース できるはず
7.組み込みシステム開発 ワンチャンありそう
8.情報システム開発 ワンチャンありそう
9.プロジェクトマネジメント ワンチャンありそう
10.ITサービスマネジメント ワンチャンありそう
11.システム監査 問題文に答えがあるのが多い

エンジニアとしては、プログラムとネットワークを選びたいところでしたが、実際に解いてみると微妙に知っているが故に問題を読み解くのに時間がかかってしまう、かといって正確な答えを導き出せる自信もなかったので却下しました。ここでは合格するのが目的です。見栄はいらないのです。
ワンチャンありそうとつけたのは、スラスラ解ける問題があったものです(知識がいらず、問題文に答えがあるような問題)。

意外に△が多くなったので、その中でも何を決め手に解いていくのか考えなければいけなかったのですが、そこは計算問題が多いものは避けるという方針でいきました。えぇ、見栄はいらないのです。
解く科目を決めたら午後の勉強はそんなにしませんでした。先に書いたとおり国語の問題だし、わかる(読める)問題が出ればワンチャンあると考えたからです。
※時間が無かったというのもある

午後の過去問を1回通しでやる

午後の勉強はそんなにしませんでしたが、上記の作戦を踏まえて過去問を1回通しでやりました。
その結果、なんとボロボロ。原因は最初の情報セキュリティとデータベースに時間をかけ過ぎて後半時間が無くなってグダグダになったからです。
時間が無くなるとどうなるか、あせりで問題がまったく読めなくなってしまいます。国語の問題でそれは致命的なのです。
これを経て、本番では時間配分を守る/時間がなくてもあせらないこの2つを肝に命じようと心に決めたのであります。

本番当日

午前は正直余裕でした。
で、実際に本番で受けた午後の問題がこちら。

  • 1.情報セキュリティ
  • 6.データベース
  • 7.組み込みシステム開発
  • 8.情報システム開発
  • 11.システム監査
  1. -> 6. -> 11. -> 8. -> 7. の順に解きました。

2つの奇跡が起きた

この章は実況を交えます。

1.情報セキュリティは半々の出来。ここで30分。

6.データベースはめっちゃむずかった。ここで45分を使ってしまった。
これで、75分。ライフタイムの半分を使ってしまいました。しかも回答に自信が無い!!あぁ、これは勉強のときの悪夢が蘇る。いや落ち着けオレ、まだだまだ取り返せるぞ。

11.システム監査。ここで奇跡1が起きました。落ち着いて問題を読んでみると、まさに国語の問題です。問題文に答えが書いてあります。うぉ近年稀に見る簡単な問題や、これはイケるぞ。と徐々に取り返します。ですが時間は取り返せていません。慎重にいった結果、30分は使ったでしょう。残り45分で2問です。地味にキツい。

8.情報システム開発。ここで奇跡2が起きました。なんと、HTML、CSSの問題です。これはイケます。楽勝です。簡単すぎて逆に怖かったです。15分くらいで解けました。うぉぉ、なんという奇跡、残り30分まで回復しました。ですが、残りの1問を選んでいません。ざっと残りの問題を眺めてみます。

9.プロジェクトマネジメント、10.ITサービスマネジメントは問題が長い、却下。4.システムアーキテクチャはWebAPIの問題だ、いけるか?問題を見てみたら稼働率の問題がある、絶対考えるのめんどいやつやんけ時間がかかりそう、却下。7.組み込みシステム開発は風呂場の監視システムだが、問題を読んでみたら計算問題は1問だけっぽい、いけそう、これでいこう。

という心の葛藤を経て、7.組み込みシステム開発を選びました。なんやかんや問題選びに10分はかかったので、残り20分です。

7.組み込みシステム開発。時間が無かったので、先に設問を見て問題文を読む方法を取りました。こういうやり方もあるってどこかで見た気もするので。手応えは半々。

というわけで前半はボロボロでしたが、後半の奇跡のおかげでなんとか崩れずに問題を解くことができました。
で、結果は60点だったわけです。これ、運以外の何ものでも無い気がするのですが勉強をしてきちんと作戦を練れたのも大きかったと思っています(最後の問題選びに失敗してたら落ちていたはず)。

自分の手応えだと、

  • 1.情報セキュリティ
    • 10点
  • 6.データベース
    • 10点
  • 7.組み込みシステム開発
    • 10点
  • 8.情報システム開発
    • 15点
  • 11.システム監査
    • 15点

の計60点だったと思います。今振り返ってみると問題文をよく読めば解ける問題で何問かはミスしていたので、もう少し落ち着ければよかったなぁと思います。
でもまぁ、ほんと合格できてよかった。

まとめ

最後にもう一度だけ、ざぁーっと勉強方法をまとめておきます。

  1. 午前用の参考書を2冊平行で読みきる
    • 1冊は簡単なもの、もう1冊は少し難しいもの
    • お互いに補っていくイメージ
  2. 午前の過去問を過去問道場で解きまくる
    • 最低でも5年間分くらいはやったほうがいい
  3. 午後の過去問をざっと数問ずつやって、本番に解く問題を絞っておく
    • 問題文にも慣れておいたほうがいい
  4. 午後の過去問を通しで1回は解く
    • 本番を意識してやる
  5. 本番ではあせらず問題をよく読んで解く
    • だいたい問題文をよく読めば答えが書かれているケースが多いので落ち着いて挑む

これができれば多分だいじょうぶです。

おわりに

12年もエンジニアをしていて何も資格を持っていないのは冷静に考えてさすがにキツいかなと感じ一発奮起して資格の勉強をしてみましたが、今まで意識していなかったモノが学べた気がしているので本当に良かったと思っています。もし不合格だったとしても勉強して損はなかったかなと。
(まぁ受かったからキレイ事を言えるのであって、試験に落ちててまた同じ勉強をできるのか?と聞かれたら正直、答えに詰まりますが)

あと、自分でもやれば出来るんだなと自信にもなりました。とはいっても応用は登竜門的なレベルだと思うので、高度も狙っていきたいと思います。

それと最後に、エンジニアはプロダクトで結果を出してナンボだから、「資格なんて関係ないぜ」と聞くことはありますし自分でもそう思っていますが、「資格なんて関係ないぜ」は資格をとってから言いたいとは思っていたので、それが言えるようになったのでよかったです。

作成者: shimabox

Web系のプログラマをやっています。 なるべく楽しく生きていきたい。

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